「アイヌ文様を、今の暮らしの中へ」~役員対談 萱野×鳥海~後編
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(前回からの続き)
萱野:
最初の頃って、Tシャツから始まりましたよね。
鳥海:
はい。2023年のチプサンケの頃から、本格的にTシャツを作り始めたと思います。
萱野:
あの頃から、やっぱりデザインが良かったんですよね。
線画のシリーズもそうだし、「普段使いできる」っていうのがすごく大きかった。
工芸品そのものではないけど、アイヌ文化を日常の中に取り入れてもらう。
そういう入り口として、とても良い形だなと思っていました。
鳥海:
デザインする時に意識しているのは、「まず自分が欲しいと思えるか」です。
ブランドを立ち上げる時に色々とリサーチしましたが、アイヌ文様の商品って、どうしても渋めのテイストが多かったりして。
もちろんそれはそれで素敵なんですけど、「自分で実際に使うかな?」って考えると、購入まで至らないものも結構あったんです。
だから、そこをデザインの力で、もっと自然に生活の中に取り入れられるようにできないかなと思っていました。
色使いなんかもかなり意識しています。
萱野:
僕も今まさに、チプサンケ2025のTシャツを着てますけど、普段使いできるのがいいですよね。
特別な時だけじゃなく、日常で着られる。
鳥海:
アイヌ文様そのものは、本当に素晴らしくて、表現の幅が広いと思っています。
作家さんごとの個性もすごく出るし、いろんなものに転用できる可能性がある。
だから、「どう取り入れるか」「どう見せるか」が大事だと思いました。
伝統として残す部分はしっかり残しつつ、新しい要素も取り入れていく。
それが二風谷ワークスのやり方だと思っています。
萱野:
最近だと、「洗練されている」って言ってもらえることも増えましたよね。
鳥海:
それはすごく嬉しいですね。
私たちが目指している方向性でもあると思います。
萱野:
Tシャツの次に大きかったのが、今治タオルのブランケットでしたよね。
クラウドファンディングから始めて。
鳥海:
そうですね。
あれは、役員の廣田さんから「ブランケットみたいなものが欲しい」という話があったのがきっかけでした。
ちょうどその頃、ブランドとしてどこを参考にできるか考えていて、アメリカの「Pendleton」みたいな存在が近いのかなと思いました。
ネイティブアメリカンの伝統的な文様を、ブランケットやアパレルに落とし込んでいるブランドです。
「北海道発で、そういうブランドがあってもいいんじゃないか」と思ったのが始まりでした。
萱野:
デザインには、僕のおばあさんが作った着物の文様を使っています。
ただ、当時は会社としてまだ資金も全然なかったので、クラウドファンディングで資金を集めて製造しました。
鳥海:
クラウドファンディングでご支援いただいた皆さんのおかげで今があるので、ものすごく感謝しています。
ブランケットを開発するにあたっては、今治の工場ともかなりやり取りしました。
特に色は、サンプル段階で何度も調整しました。
萱野:
かなりこだわりましたね。
表面のシャーリング加工も肌触りが良くて、すごく気持ちいい。
そこからフェイスタオルやタオルハンカチにも展開していきました。
鳥海:
今年中にはバスタオルも出したいと思っています!
ブランケットは自分でも愛用しているのですが、本当に使い勝手がいいんですよ。
椅子やソファに掛けておくだけでもインテリアになりますし、民芸や工芸が好きな人には刺さるデザインだと思います。
あと、やっぱり「洗える」っていうのが大きいですね。
萱野:
確かに。
鳥海:
ウールブランケットだと、どうしても洗濯が難しかったり、型崩れしやすかったりするのですが、タオル素材なのでネットに入れて普通に洗えます。
私はキャンプも好きなので、外に持って行っても気軽に洗えるのがすごく使いやすいです。
萱野:
やっぱり、自分たち自身が本当に良いと思えるものじゃないとダメですよね。
鳥海:
そうですね。これは自信を持っておすすめしたいです。
萱野:
あと、鳥海さんって、お父さんも実は二風谷と縁があるんですよね。
鳥海:
そうなんです。
父は建築士でして、私が生まれる前後くらいに、萱野茂さんと一緒に仕事をしていて。
平取町立二風谷アイヌ文化博物館の設計に関わっていました。
大学時代に見学にも来ていましたし、そのこと自体は知っていたんですけど、後になって「萱野さんが萱野茂さんのお孫さんだった」と知って、本当に驚きました。
萱野:
不思議な縁ですよね。
鳥海:
本当に。
だからこそ、自分がやらなきゃいけない気がしたというか。
偶然ではない感じがして。
父と萱野茂さんがつないでくれた縁でもあるのかな、と思っています。
なので、これからは私なりの関わり方で、平取や二風谷の皆さんと仕事を続けていけたら嬉しいです。
萱野:
イベントの時にお父さんにもお会いしましたけど、「よろしくお願いします」って言われて、責任を感じました(笑)。
鳥海:
いつも支えていただいています(笑)本当にありがとうございます。
萱野:
こちらこそです。
またこれからも、いろんな商品を作っていきましょう。